私のブログを見た朝日新聞の記者からコンタクトがあったのは、6月のこと。
「がんに補完代替医療について取材させてもらいたい」というものでした。
7月初めに浜松まで記者の方がいらして、2時間ほど話をしました。
その記事が、昨日(9/21、水曜)の朝日新聞全国版朝刊に掲載されました。
「がんとともに」というシリーズで、「がんの補完医療-健康食品の効果 乏しい根拠∸」というテーマです。
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“がんが治る”という謳い文句の健康食品は山ほどあります。
私や夫が、がんになった時も、ありとあらゆる健康食品を勧める人が現われては、それらを試しました。
もちろん善意で勧める人もいましたが、自由診療のクリニックにしても、サプリメントを製造している会社にしても、藁をも掴む思いの患者の心理につけ込み、大金を吸い上げていく悪徳な人々もいました。
がん患者であり、がん患者の家族であった私には、そこにすがる人たちの気持ちもよくわかります。
それでもあえて言いたいのは、「それだけでがんが治る魔法の薬はない」ということ。
だからといって希望を失うことはありません。
がんはしぶとい病気ですが、「残念ながら手の施しようがありません」と医師から見放されたり、根治しないと言われたりしながら、今でも生きている人を何人も私は知っています。
2時間ほど話した内容は下記の通り短いコメントとして掲載されました。
このテーマを1回の特集で組むのは難しいとは思いますが、「なぜ、がん患者は、半信半疑でも健康食品に救いを求めるのか」という背景にもっと迫ってほしいと願っています。
「使用する際には医師に相談を」とありますが、その医師からサプリメントを勧められるケースも多い現状をどう考えたらいいのでしょうか。
“がんビジネス”という言葉が行き交い、そのターゲットとなっていくがん患者がどんどん増えています。
標準治療では助からないと言われた時、がん患者はどうすればいいのか―。
そこを救い上げるシステムも場所もない日本の医療に危惧を覚えます。
どうか一刻も早い、国の対応を!