以前、「がんの不安から抜け出せないあなたへ」というタイトルで書きましたが、それは通常の治療とは別に自分で何かできることはないか、という人に向けたものでした。つい最近、友人や親族が初めてがんと診断され、どうしていいかわからないでいる、という相談を何人かの方から受けましたので、今回はそのような方に答えた内容をここに記したいと思います。
まず、がんと診断され、ショックを受けていらっしゃる方にお伝えしたいこと。 今は2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなる時代ですから、がんはもはや特別な病気ではありません。他の病気とは異なり、相当進行しなければ、がんがあっても痛みも苦しみもなく、普通に日常を過ごすことができます。初期の場合であれば根治できますし、根治しなくてもがんと共に生きている人はたくさんいます。
●初期の段階でわかった方は、慌てる必要はありません。スキルス性など一部のがんを除き、進行はゆっくりです。数年の時を掛けてがんは成長します。1cmを超えると倍々と大きくなっていきます。十分に時間はあるので、落ち着いてよく調べること。治療の選択に幅があるので、自分の希望と治療法の特徴を照らし合わせて、じっくり考えましょう。「一番良い治療の選択」を決めるのは医師や家族ではなく、本人です。「絶対、これが正しい」という答えはなく、自分が一番納得できる治療は何かを考えることが大切です。
●進行の度合いに関わらず、医師から大事なことを言われる際は、必ず信頼できる人と一緒に聞くことをお勧めします。一人ですと、頭が真っ白になって重要な事が抜け落ちたり、内容を勘違いしてしまったり、判断に困る場合が多くあります。
きちんと冷静に聞き、メモを取れる人と一緒であれば、落ち着いて話を聞くことに集中でき、後で確認し、相談することもできます。
●医師に確認すべきこと=今、自分のがんがどういう状態(段階・タイプ・大きさ・数・浸潤の度合い)であり、転移の有無はあるのか。どんな治療法があり、それぞれどんなベネフィットとリスク(私はメリットとデメリットより、こういう言い方のほうがしっくりきます)があるのか、医師はその中でどれを推奨するのか。その理由は何か。血液検査や組織検査の結果は、きちんと受け取ること。
●治療について返事を求められても、すぐに返事せず、「よく考えたい」と言って、持ち帰ること。知らない治療法であれば、自分で、あるいは信頼できる人に相談して、よく調べて熟慮した上で決めること。不安や迷いがあれば、セカンドオピニオンを求めること。
そもそも、どうしてがんになるのか?
人間の身体の中では、常に何百、何千というがん細胞が出ては消え、出ては消えを繰り返しています。免疫力が高ければ、自然に免疫細胞ががん細胞を攻撃し、病気になることを防いでくれます。 がんは、不思議な病気で、ほとんどの場合、診断されたときは苦しくも痛くもありません。治療によって初めて「病人」になります。そしてある意味、治療が終わった時が、病気の始まりでもあります。
再発・転移を防ぐためには、自分でいろいろな取り組みをしていくことが大事です。もちろん、がんを誘発する原因は、 環境の悪化、化学物質、口にするもの、身につけるもの、ストレス、思い癖などなど…、 多々ありますが、がんそのものがウイルスと同じように外から入ってくるのではなく、自分の中で作り出されるものだからです。
がんになる前と同じ自分であれば、いつまたがんの芽が成長するかわかりません。ですから、がんを引き起こす原因を避ける、これまで自分がしてきたことの中で悪いと思うものを変える、良いと思える食べものや方法を取り入れることで、「がんになりにくい、再発・転移しにくい心身」となることができるのではないか、と考えました。※ここから下は、以前まとめたものと、ほぼ同じです。
いろんな人がいますから、それぞれ人によってどうすれば「安心」するか異なります。みんなが同じではないし、方法もたくさんあって「これが正解」というものでもありません。
たとえば、「病院で行う治療以外に何かできることはないか」と、がんの相談を受けた時に、私がお勧めすることが幾つかあります。
1、呼吸法を生活に取り入れる。→近くに気功やヨガを教えてくれるところがあれば、そこに通う。
2、歩く、テレビ体操、ラジオ体操を行う。→これ、がんだけでなく、うつ病の人にもかなり効きます。毎朝、決まった時間に起きて朝日を浴び、身体を動かすことがいい。
3、食事を見直す、食事療法を取り入れる。→いろいろなやり方がありますが、私は玄米と菜食中心の「日本人本来の食生活、伝統食」を大切にする東城百合子さんの考え方がしっくりくるので、東城さんの本を何冊も読み、月刊誌「あなたと健康」も読んでいます。料理教室に通い、添加物・農薬などを用いた食材、加工品を避け、身体と心が喜ぶ食生活にする。肉食、甘いもの、牛乳および乳製品は避ける。
4、自然療法を取り入れる。→これも東城百合子さんの本「自然療法」が基本。こんにゃく温湿布、生姜湿布、ビワ療法、砂療法(砂浴)などいろいろあります。
5、東洋医学、漢方を取り入れる。→鍼灸、漢方薬、薬草など。
6、がん患者の会に入会する。→がんの種類により、全国にがん患者の会があります。そこに入って語り合い、情報を得るのも一法。「こんなに元気な人がいる」と知ることで、勇気と元気が湧いてきます。
7、心の状態を安定させる。→人それぞれ嗜好も趣味も考え方も異なりますから、これもいろいろな方法があります。ウォーキング、山歩き、座禅、瞑想などで、前向きな気分になれる人もいます。他に、アロマセラピー、アーユルヴェーダ、心理療法なども。私はヒプノセラピー(催眠療法)を取り入れています。
私のブログも参考になるかもしれませんので教えておきますね。
●『TAKUの明るいがん治療生活』
http://blog.livedoor.jp/takutaku7and7/
※今は更新していませんが、基本的ながん情報や自然療法等の情報は役立っているようです。
●『山口雅子の健康講座』
http://kenkokoza.hamazo.tv/
※このブログです。こちらは更新中。
私も、最初に乳がんとわかったときには驚き、ショックでした。「なぜ、私が?」と思いました。でも、抗がん剤も補助療法も受けずに、乳がん治療(温存法手術+放射線治療)から15年、肺がん(ピンポイント照射治療)から10年を経過し、主治医から「卒業」のお墨付きを頂きました。
私は、「がんになって良かった」と心から思っています。がんは気づきを与え、人生をやり直しする機会を与えてくれる「天からのギフト」です。 私は以前より、良い人生を送っていると自信を持って言えます。ですから、どうぞ悲観しないでください。きっと、あなたは、がんになる前より、自分を愛し大切にし、周りの人の優しさを知り、はるかに素敵で豊かな人生を手に入れることができるでしょう。
他に何か聞きたいことがあれば、遠慮なくどうぞ。
私でできることなら力になりたいと思います。